2012年5月例会報告
日本の出版物を海外へー著作権輸出への道
 栗田 明子 氏

ご講演される栗田明子氏 栗田明子氏の近著

2012年5月9日(水)栗田明子氏から「日本の出版物を海外へ−著作権輸出への道」と題するお話をお聴きした。メイド・イン・ジャパンが粗悪品の代名詞であった半世紀前は海外の出版物がどんどん我が国へ入ってくる時代でもあった。商社の企業戦士たちはわが国の技術や商品を「人のいるところビジネスあり」として世界中で活躍し我が国の発展に貢献した。栗田氏は学校を卒業して商社に入社したが、その時得たDNAがその後の人生に影響したものと思われる。即ち、海外の多くの出版物が輸入されるのに対して、優れた日本の出版物がほとんど海外に紹介されていないことに着眼され、この仕事をライフワークにされたのである。昨年出版された「海の向こうに本を届ける−著作権輸出への道」に自分史的に歩んできた道が述べられている。文化と言語は各国固有のものであり、言語の違いが文化交流の障害になっていることが多い。我が国の書籍を海外に普及させる事業はその最たるものであろう。お話の中で、よしもとばなな著の「キッチン」の翻訳本の各国の表紙の違い(レジュメを参考)の解説は文化の違いを端的に表現していた。栗田氏はこの文化の障壁に果敢に挑戦し、この事業を成功させたことはご本人の粘り強い努力と豊かな人間性の賜物であり敬服に値する。勿論、多くの人々のご支援があったことも忘れてはならない。メイド・イン・ジャパンが高級品の代名詞に変わり発展途上国の追い上げを受けるようになる一方で閉塞感の漂う我が国の将来の方向づけに貴重な示唆を与えるお話であった。


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