2015年1月例会報告
原子力安全革命 −「トリウム溶融塩炉」実現のシナリオ− (株)トリウムテックソリューション(TTS) 代表取締役社長 古川雅章 |
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熱っぽくご講演される古川雅章氏 | 講演の基礎となった演者古川雅章の実兄の著書 | |
2015年1月22日(木)古川雅章氏をお招きして「トリウム溶融塩炉」開発の現状と将来についてお聴きした。演者は2011年他界された古川和男氏(約30年間このプロジェクトを熱心に続けられた)の遺志を継いでこのプロジェクトを行っている。 ご講演は核エネルギーの平和利用の原点から説き起こし、平和のための原子力の条件として@安全性、A放射性廃棄物の処理、B低コスト、C核非拡散、D総合評価:環境にやさしいことをあげ、「トリウム溶融塩炉」の有用性について解説された。「トリウム溶融塩炉」はプルトニウムを作らない点で軍事的に無価値であるとしてオークリッジ国立研究所では1976年に開発が中止され、現在は世界中でウランを燃料とする原子炉のみが商業化されている。 古川和男氏は米国で開発が中止された後も研究を続け、独自の構想による「トリウム溶融塩炉」”FUJI”を設計し、開発に努めた。古川雅章氏はこの夢を引き継ぎ、開発のロードマップを作成した。目標は2030年20万KWの「FUJI」である。プロジェクトに対する賛同者も次第に増えてきており、OECDハルデン研究所の協力も得られ、本格浮上の段階となっている。 米国を中心とするエネルギー産業の世界戦略の中で「トリウム溶融塩炉」がどう位置づけられるかがこのプロジェクトの成否に関わることは言うまでもない。 |
講演に使用された資料 |
トリウム溶融塩炉の開発の現状について |
李登輝より日本へ贈る言葉(ウエッジ2014年6月11日発行) |