2016年8月例会報告

  太平洋戦争ー飢餓・護衛・情報

梅津 寿一

 
         
 

  2016年8月4日(木)梅津寿一氏から「太平洋戦争ー飢餓・護衛・情報」と題するお話をお聴きした。
今回は2016年1月28日の同氏の「太平洋戦争への道〜どこで日本は間違ったのか〜」の続報と
位置づけられ、戦争中の諸問題として飢餓・護衛・情報をキーワードにして報告された。(1)飢餓
については日本軍の戦没者の過半数が戦闘行為ではなく飢餓地獄の中での野垂れ死にだった
として兵站の無計画性を指摘した。(2)護衛については海上護衛という概念が欠如していたと指摘、
(3)情報についてはその軽視がすべての根源であると多くの具体例を挙げて説明された。結論と
して2016年3月24日の山本利久氏の発表「日本軍の戦い方ー日本人・日本社会論」でも触れられた
ように、日清・日露の時代から積み重ねてきた陸の白兵銃剣主義、海の艦隊決戦主義に表される
軍の組織文化や陸士・海兵で培ってきた作戦重視・情報軽視に見られる官僚主義など、現代の
日本社会にも通じ、残っている問題であると指摘した。

レジュメ
 資料1:年表
資料2:文献
 資料3:太平洋方面図
資料4: ニューギニア島全図


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